カナダドル(CAD)の値動きの特徴とトレード戦略

LINEで送る
Pocket

こんにちは、『為替市場は歪まない』管理人です。

あなたには、ネット上にカナダドルに関する情報が少なくて困ったという経験はありませんか?

確かに、カナダドルは主要国通貨の一つではあるものの、ドルやユーロといった他の通貨に比べ知名度が低く、取引量も劣るため、ネット上に情報が少なくニュースなどでもなかなか解説されることがありません。

この記事では、そんな方のためにカナダドルの基本的な特徴と変動要因からトレード戦略まで、初心者の方にもわかりやすく紹介します。

カナダ経済のポイント

カナダ国旗

人口規模はそれほど多くないものの、カナダは世界で2番めの広大な土地を持ちます。

その広大な土地から取れる資源は原油などのエネルギー資源だけでなく、鉱山資源や農畜産物も豊富で、世界有数の資源国として知られています。

原油埋蔵量は世界3位を誇り、この量は世界全体の原油の約10%を占めます。

原油埋蔵量上位6カ国

(出典:BP, Statistical Review of World Energy 2015)

その一方で、カナダの主要産業には金融、保険、不動産などのサービス産業や、製造業、建設業もあり、先進工業国の側面もあります。

また、カナダは財政的に非常に健全で豊かな国です。

財政赤字は対GDP比で-1.5%と、先進国の中でも非常に低く、ムーディーズ、S&P、フィッチといった格付け会社から最高ランクであるAAAが格付けされています。
(日本の財政赤字は対GDP比で-4.9%)(財政赤字の出典:財務省 2016)

AAA格付けの国は世界でも9つの国のみで、G7の中ではドイツとカナダのみとなっています。

そのほかの特徴として、カナダは米国と地理的に隣接していることから、経済的にも極めて密接な関係にあることが挙げられます。

実際、カナダにとって最大の貿易相手国は輸出・輸入ともにアメリカであり、アメリカ経済の動向は直接カナダ経済にも影響します。

 

おさらい
  • カナダは世界有数の資源国
  • 財政が非常に健全な安定国
  • 地理的に隣接していることから経済的にも米国と密接な関係にある

カナダドルの特徴と変動要因

oil-106913_1280

次にカナダドルの変動要因についてみていきましょう。

カナダドルの変動要因としては主に以下の3点が挙げられます。

  • BOCの金融政策の動向
  • 資源価格の動向(グラフ)
  • 米国の金融政策と経済動向

 

「BOCの金融政策の動向」

通貨の動向を伺ううえで、その国の中央銀行の動向を無視するわけにはいきません。

カナダドルもBOCの金融政策の動向に大きく影響を受けます。

BOCはBank of Canadaの略で、これがカナダの中央銀行です。

政策金利の発表は年8回行われ、発表は水曜日の日本時間23時に行われます。(夏時間)

発表月は固定ではないものの、前回の発表から次の発表までは6~7週間となるように設定されています。

また、8回の発表のうち4回は、カナダと世界の経済見通しやインフレについてまとめたレポートも発表され、BOCの世界経済への見方についても詳しく知ることができます。

BOCも他の国の中央銀行同様、物価の安定を責務としており、インフレ目標を1~3%に設定しています。

そしてインフレ率については、毎月20日前後に発表されるCPIが参考にされるため、必然的にこの経済指標は注目度が高くなります。

BOCの市場への関わり方としては、公開市場操作を通じて金利を政策金利に沿うように誘導する伝統的な金融政策によって行われます。

EUやアメリカ、日本といった他の先進国では、近年ゼロ金利政策や量的緩和といった非伝統的な金融政策が行われてきましたが、BOCはこのような金融政策まで踏み込まずに済んでいます。

また、BOCが為替市場へ介入することは非常に稀で、カナダドルレートへの市場介入は1998年以降行われておりません。

以下はカナダ政策金利推移を表したグラフですが、直近ほぼ金利が変わっていないことも見て取れるかと思います。

カナダ政策金利推移

 

「資源価格の動向」

前述した通り、カナダは広大な土地とともに豊富な資源を有する資源国で、多くの資源を海外に輸出しており、カナダ経済は資源価格の動向に大きく左右されます。

そのためカナダドルは資源価格の動向に敏感に反応し、特に原油価格とは一定の相関関係がみられます。

以下は原油価格とカナダ円の動向を比較したグラフですが、実際に一定の連動性があることがお分りいただけるかと思います。

CAD/JPYレートと原油価格推移

そのため、カナダドルをトレードする場合は原油価格の動向をチェックする必要があるのです。

また、原油価格に影響を与える経済指標として、毎週日本時間23:30(夏時間)に米国のエネルギー省エネルギー情報局(EIA)が発表する「原油在庫統計」というものがあります。

これは米国の企業が在庫に保有している商業用原油の週間増減を表したものなのですが、結果が予想と大きく乖離した場合などに、原油価格が大きく動くことがありますので念のため注意しておきましょう。

この他の知識として、現在アメリカのシェールガスの増加が原油価格の頭を押さえているという現状があり、原油価格はかつてより上昇しにくくなっています。

 

「米国の金融政策と経済動向」

カナダは米国と地理的に隣接していることから、経済的に極めて密接な関係にあります。

事実、米国はカナダにとって最大の貿易相手国であり、カナダの輸出の7割以上と輸入の約5割は米国です。

そのため、米国経済の動向はカナダ経済に直接影響します。

また米国の金融政策の動向もカナダドルレートに強く影響します。

以下はドルカナダレート米加2年金利推移を比較したグラフですが、ドルカナダレートは米国とカナダの金利差と強く連動していることがわかるかと思います。

ドルカナダレートと米加2年金利差

 

カナダドルの特徴、変動要因のおさらい
  • カナダドルに影響を与えるBOCの政策金利発表は年8回
  • 資源価格、特に原油価格にカナダドルは敏感に反応する
  • カナダ経済は米国経済と隣り合わせ、米国の動向にも要注意

カナダドルの取引戦略

次に具体的なカナダドルのトレード戦略についてみていきましょう。

今回は以下の3つのポイントに絞ってトレード戦略について紹介したいと思います。

  • 通貨ペアの特徴をおさえる
  • 通貨ペアの力関係を意識する
  • 各通貨の強弱関係を意識する

 

「通貨ペアの特徴を抑える」

カナダは資源国であるため、原油価格と一定の相関性が見られることは前述した通りで、カナダドルをトレードする場合は原油価格の動向に注意する必要があるのでした。

また、この他の特徴として、カナダの金融政策が米国の金融政策に追随または先行するという傾向があります。

これはカナダの最大貿易相手国が米国であることから、米国経済の動向がカナダ経済に直接影響するためというのが理由の一つとしてあげられ、

逆に、景気の回復局面では米国よりカナダの経済規模の方が小さいため、回復の兆しが早く現れることでカナダの金融政策が米国に先行することになります。

そのため、カナダドル円は長期的にはドル円と一定の相関性を持ちつつ、短期的には原油価格に左右されるといった特徴を持ちます。

「ドル円とカナダドル円の週足比較」

ドル円、カナ円比較

上の画像はドル円とカナダドル円の週足チャートを比較したものです。

カナダドル円は短期的に上下していますが、黄色の移動平均線をみてみると、長期的にはドル円と一定の連動性が見られることがわかると思います。

また、ドルカナダドルを取引する場合には、「IMM通貨先物ポジション」も参考になります。

以下はカナダドルのIMM通貨先物ポジションとドルカナダドルを比較したグラフですが、両者の間には比較的強い相関性がみられることがわかるかと思います。

ドル・カナダドルとネットポジション推移

このIMM通貨先物ポジションの詳しい見方とトレードへの応用の仕方については、以下の記事で毎週最新のIMMポジションデータと共に解説していますので是非参考にして見てください。

『IMM通貨先物ポジションのデータ推移と見方、使い方』

 

「通貨ペアの力関係を意識する」

カナダドルは主要国通貨の一つとはいえ、他の通貨と比べると取引量が劣ります。

以下は通貨ペアごとの取引シェアをまとめたグラフですが、貿易が盛んな対ドルとの取引でもユーロドルの5分の1以下の取引量しかないことがわかります。

通貨ペアごとの取引シェア

 

一般的に取引量の少ない通貨ペアは他の通貨ペアの動きに影響されやすい傾向にあります。

例えば、ユーロドルの下落や上昇によるドル高やドル安が、相対的にドルカナダドルの上昇や下落に影響してしまうことが多くあります。

同じドルカナダドルの上昇でも、それがカナダドルの上昇によるものなのか、それともドル安によるものなのかを見極めるのは非常に重要なことです。

そのため、カナダドルをトレードする場合は通貨ペアの力関係を意識しつつ、関連のある通貨の動向もチェックしながらトレードしましょう。

 

「各通貨の強弱関係を意識する」

トレードする上で重要な考え方として、各通貨の強弱関係を意識してトレードするというものがあります。

各通貨の強弱関係を意識することによって、もっとも効率の良い通貨ペアを見つけることができます。

例えば、円に対してカナダドルとドルが同時に上昇している場合にドル/カナダドルをトレードするのは効率的ではありません。

効率の良いトレードをするためには、買われている強い通貨に対して売られている弱い通貨を組み合わせた通貨ペアをトレードする必要があります。

以下はカナダドル、ドル、円の3通貨で考えた場合に考えうる通貨ペアの強弱パターンです。

ドル・カナダ・円強弱1 ドル・カナダ・円強弱2

最初は、慣れないかもしれませんが、この考え方は是非身に付けるようにしましょう。

 

まとめ

gulls-540791_1280

では全体のおさらいをしましょう。

カナダの基本的な特徴としては

  • カナダは世界有数の資源国
  • 財政が非常に健全な安定国
  • 地理的に隣接していることから米国と経済的にも密接な関係にある

といったものがあり、

カナダドルの変動要因としては

  • BOCの金融政策の動向
  • 資源価格、とくに原油価格の動向
  • 米国経済の動向

が主なものでした。

そしてトレードする際は通貨ペアの特徴をおさえ、通貨ペアの力関係を意識しつつ各通貨の強弱関係を見極めることによって、もっとも効率が良く、かつ負けにくい通貨ペアを選択しましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

【3/20更新】IMM通貨先物ポジションのデータ推移と見方、使い方

LINEで送る
Pocket

各個別通貨のIMM通貨先物ポジション推移チャート

まず初めに、最新のIMM通貨先物ポジションのネット推移と、各通貨ペアとIMMのネットポジションの推移を見ていきましょう。

IMM通貨先物ポジションネット推移チャート

IMM通貨先物ポジションネット推移チャート

 

 

(さらに…)

ポンド(GBP)の値動きの特徴とトレード戦略

LINEで送る
Pocket

こんにちは『為替市場が歪まない』管理人です

あなたには、「ポンドで爆損した」なんて経験はありませんか?

ポンドは非常にボラティリティが高い通貨であることで知られ、しばしばインターネットでは殺人通貨なんて呼ばれることもあります。管理人的にも、正直ポンドは難しい局面が多いと強く思います。

しかし、この値動きの激しさは、トレーダーにとって大きなリターンを得るチャンスが多いということの裏返しでもあるわけです。

この記事では、ポンドの基本的な特徴と変動要因から、ブレグジット含む直近の流れと今後の動向、また効率的な通貨ペアの選び方とポンド絡みの通貨ペアの取引戦略について初心者にもわかりやすく紹介します。

ポンドについての理解を深め、高いボラティリティを味方につけ爆益へ・・・!

(さらに…)

ユーロ(EUR)の値動きの特徴とトレード戦略

LINEで送る
Pocket

ユーロは第二の基軸通貨と言われるほど、主要通貨においても特に重要な通貨の一つです。円、ドルと並んで、初心者から上級者まで、稼ぎやすい通貨であります。

特にドルとの関係は深く、ユーロドルは為替市場において最も取引される通貨ペアです。

今回はそのユーロに関して、EUが抱える諸問題も解説しつつ、その特徴とトレード戦略について紹介していきましょう。


(さらに…)

オーストラリアドル(AUD、豪ドル)の値動きの特徴とトレード戦略

LINEで送る
Pocket

こんにちは、『為替市場は歪まない』管理人です。

あなたには、                                          

Web上にAUDに関する有用な情報が少なくてとてもつらい。
AUDを取引したいけれど、どうトレードしていいかわからない。
AUDがなぜ動いているのか、その理由が検討もつかない。
AUDUSDで爆損した。

といった経験はありませんか?

そんなあなたのために、管理人がこれまでの経験を踏まえて解説記事を作成しました。

この記事では、豪ドルを取引したことがない初心者から上級者まで、豪ドルの変動要因など基本的な論点から、効率的な通貨ペアの選び方や相関の高いプロダクトといったマニアックな情報まで、一般向けにまとめてあります。


(さらに…)