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ポンド(GBP)の値動きの特徴とトレード戦略

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こんにちは『為替市場が歪まない』管理人です

あなたには、「ポンドで爆損した」なんて経験はありませんか?

ポンドは非常にボラティリティが高い通貨であることで知られ、しばしばインターネットでは殺人通貨なんて呼ばれることもあります。管理人的にも、正直ポンドは難しい局面が多いと強く思います。

しかし、この値動きの激しさは、トレーダーにとって大きなリターンを得るチャンスが多いということの裏返しでもあるわけです。

この記事では、ポンドの基本的な特徴と変動要因から、ブレグジット含む直近の流れと今後の動向、また効率的な通貨ペアの選び方とポンド絡みの通貨ペアの取引戦略について初心者にもわかりやすく紹介します。

ポンドについての理解を深め、高いボラティリティを味方につけ爆益へ・・・!

元基軸通貨だったイギリスポンドの特徴

イギリス国旗

世界で初めて産業革命を成し遂げた英国のポンドは、かつて世界で最も影響力のある基軸通貨でした。

もっとも、英国の経済力は第二次世界大戦の頃には衰退し、米国の巨大な経済力に圧倒される形でその地位は下がってしまいましたが、

その名残は現在でも残っており、イギリスでは製造業が一定の存在感を放っているほか、ポンドは多くの通貨に対して活発に取引されています。

またポンドが現在でも大きな存在感を放っている理由の一つには、イギリスの主要産業が金融であることが挙げられます。

特に為替に関しては世界トップの取引量で、2位の米国ニューヨーク市場に比べても、倍の取引シェアを占めています。

これには、イギリスの外国に対して寛容な政策も関係しており、イギリスの金融街シティには多くの外国企業が進出しています。

そのため、ロンドン市場が開く日本時間夕方からは一気に取引が活発になり、個人投資家としてもトレードしやすい環境が整っています。

そして意外と知られていませんが、イギリスは資源国でもあります。

北海油田があるだけでなく多くのエネルギー企業も存在し、石油化学製品はイギリスの主要輸出品でもあります。
マーケットの局面によりますが、ポンドが原油価格(ブレント)を連動することがありますので、原油価格の動向を確認することもポンドをトレードするうえで必要な作業となります。

おさらい
  • ポンドはかつての基軸通貨で現在も取引が盛ん
  • ロンドン市場は為替取引量世界トップ
  • 英国は隠れ資源国、原油価格の動向にも左右されることがある

 

ポンドの変動要因

ポンド画像1

次にポンドの変動要因についてみていきましょう。

ポンドの変動要因としては主に以下の4つが挙げられます。

ポンドの変動要因
  • BoEの金融政策
  • 原油価格の変動
  • 不動産市場の動向
  • マーケットリスクセンチメントの変動

ひとつずつ見ていきましょう。

「BoEの金融政策」

通貨は長期的には金利差で変動するため、ポンドも政策金利を決定する中央銀行の動向に強く影響を受けます。

以下は英米2年金利差とポンドドルレートの推移を比較したグラフですが、金利差と為替レートの間には強い相関性があることがわかります。

GBP:USDレートと英米2年金利差推移

現在イギリスの中央銀行はBoE(Bank of England)で総裁はマーク・カーニー氏が務めています。(2017年2月現在)

政策金利が発表される金融政策委員会は毎月上旬に行われ、発表は日本時間で午後8時となっています。(夏時間)

BoEは300年を超える非常に長い歴史と伝統を持ちながらも、先進的で外国に対しても寛容な政策をとることで知られています。

その特徴は、総裁にイギリス人ではなくカナダ人のカーニー氏を起用していることからも伺え、このような性格がイギリスに多くの外国の企業や人材が流入したことで、イギリスが金融大国になった理由の一つでもあります。

また、BoEの金融政策の特徴にストップ&ゴー政策というものがあり、短期間で経済政策や金融政策の方向転換が行われることがあります。

このため金利政策に影響するインフレ関連の経済指標に、ポンドは敏感に反応する傾向があるのです。必然的に、経済指標後の動きが大きくなりやすいわけです。

そして、政策金利の他に注目すべきものとして、BoEが四半期に一度(2,5,8,11月)に発表する「インフレーション・レポート」というものがあります。

これは英国の経済や財政についての幅広い分析と今後の金融政策の見通しについて盛り込まれたもので、数十ページを超える膨大なレポートです。

このレポート自体は、英語で書かれていることに加え内容も難しく、一般の人は日本語で書かれた概要を抑えるだけで十分だと思いますが、特筆すべき点は、BoEの金融政策の変更が、このレポートが発表される月に行われることが非常に多いということです。

そのため、この「インフレーション・レポート」が発表される月は、内容の概要を抑えつつ金融政策委員会の動向に特に注意しましょう。

2017年2月現在、BoEはBrexit後のポンド安に起因するインフレ率上昇に懸念を抱いているものの、金融引き締め、利上げスタンスは経済を抑制する可能性があるというジレンマに陥っており、中立スタンスを継続しています。今後、利下げ方向、利上げ方向どちらかのスタンスが明確となるまで、大きな方向感は出にくいものと思われます。

 

「原油価格の動向」

最初の方でも触れたように、イギリスは北海油田を抱える隠れ資源国であり、主要輸出品のなかには、石油化学製品も含まれています。

また、エネルギー系の大手企業が株式市場に上場しており、資源価格の下落が株価の下落につながり、イギリスの経済活動に悪影響を及ぼすといった因果関係があります。

そのため、ポンドは原油価格との相関性もみられ、特にロンドンで取引される北海ブレント原油の価格と連動性が見られます。

もっとも、ポンドは投機的な対象となりやすいほか、他の資源国通貨に比べると相関関係はそこまで強くないといえます。

なので、原油価格の動向に関してはポンドの変動要因の一つでもある、ということだけ覚えておけばいいでしょう。

 

「不動産市場の動向」

イギリス経済と切っても切れないのが不動産市場です。

というのも、イギリスは他の主要国に比べ持ち家率が高いという特徴があります。

「各国の持ち家率」

各国の持ち家率

これは1980年にサッチャー首相のもと行われた「持ち家促進制度」の名残とも言われますが、実際イギリスでは持ち家意識が強く、ヨーロッパでも最高レベルです。

賃貸物件への引越しの場合、イギリスでは家具などの生活用品はあらかじめ購入する必要はありませんが、持ち家への引越しの場合はそうはいきませんし、リフォームも考えられます。

そのため、持ち家への引越しは非常に多くの消費支出を生むのです。

そして、多くの人が人生で数回の引越しを経験することを考えると、その経済規模は計り知れません。

これらの理由から、イギリス経済の動向を知る上で不動産市場の動向が重要だということがわかります。

また、住宅価格の動向はインフレ動向にも大きく影響するため、そこからBoEの政策やポンドの動向を先読みすることも可能です。また、金利が上がると不動産の理論価格は下落します。この点についても、金融政策の方向性が重要になるのです。

 

「マーケットリスクセンチメントの変動」

ポンドはかつて高金利通貨としての特徴もあったことから、リスク選好通貨としての特徴がありました。そして現在でも、その特徴が見られる局面があります。

リスク選好通貨というのは世界経済が安定している時には変われ、世界的リスクの高まりのなかでは売られるといった特徴があります。

特に2017年は、ブレグジットの動向や欧州の選挙ラッシュ(フランス大統領線でFrexit、フランスのEU離脱を宣言しているルペン氏の当選懸念)など、政治イベントが重なることで欧州の不透明感がさらに高まることが予想され、ポンドの動向を伺う上での主要テーマとなることは間違いありません。

そのため、この項目についてはブレグジットと2017の動向を交え、次の項で詳しく説明したいと思います。

 

ブレグジットと2017年のポンド動向の着眼点

ブレグジット画像

最近のポンドは各種媒体の報道やメイ首相の発言により「ハードブレグジット」への懸念が強まると急落する一方で、「ソフトブレグジット」への期待が高まると大きく買い戻されるなど、非常にボラティリティが大きく、かつこれらの報道は時期内容ともに事前の予測が困難なことから、ポンドは短期的な予測が非常に困難な通貨となっています。

しかし長期的な目線でみると、今後の主なイベントを整理することである程度の方向性はみえてくるはずです。

ここでは、2017年のイギリスを取り巻く主な動向を整理することで今年のポンドの方向性を見てきたいと思います。

結論からいうと、今年はポンドにとってさらなる下落圧力がかかる可能性が高いと考えられます。

まず、現在イギリスがEU離脱条件交渉の際に希望している内容はEU側から拒否される可能性が非常に高いことが理由の一つです。

1/17に行われたメイ首相の演説では、EU離脱への詳しい方針が説明されましたが、その内容を要約するとイギリスの希望は概ね以下の通りです。

  • 移民流入規制
  • EU法やEU裁判所に縛られない立法主義の回復
  • 離脱後に包括的自由貿易協定の締結による単一市場へのアクセス

これらの内容は、EU側からみると単なる「いいとこ取り」の内容です。

もし、このような内容をEU側が承諾すれば、現在EU内部で勢力を拡大している反EU勢を勢いづかせる結果になりかねず、EU各国で総選挙が予定されているなかで、これらの交渉条件が受け入れられる可能性は非常に低いと考えられるでしょう。

つまり、離脱交渉はイギリス側が条件を譲渡しない限り難航する可能性が高いと考えられます。

しかし、交渉が難航した場合、EU条約で2年と定められた交渉期限が切れることによる、強制的なハードブレグジットに繋がる可能性があります。

強行離脱によりイギリスがEU単一市場へのアクセスを失うようなことになれば、現在英国に拠点を置いている多国籍企業が逃げて行き、英国内の投資や雇用にも悪影響がでることでイギリス経済は深刻な打撃をうけるでしょう。

また、イギリスのスコットランドで再びイギリスからの独立の是非を問う住民投票が行われる機運が高まっていることも不安要素の一つです。

これには2017年1月にイギリス最高裁判所が「EUに対する正式な離脱通告の際、議会の承認は必要だが、北アイルランド及びスコットランドの自治政府議会の承認は必要ない」との判断を下したことに、スコットランドの住民が激怒した背景があります。

もともと、スコットランドではEU離脱の国民投票の際も「EU残留派」が多かったこともあり、2014年に一度は否決された住民投票が再び行われるとあれば、今度こそイギリスから独立したいという人々が過半数になる可能性があり、

そうなれば、イギリスは多くの国土や人口、また北海油田の利権などを失う可能性すらでてきます。

なお、リスクシナリオとしては、Brexit後も景気が減速せず、むしろ利上げで経済の過熱、およびインフレを抑制する方向にBoEがかじを切ることです。利上げ局面に入るわけですから、ポンドへの強烈な上昇圧力となります。

おさらい
  • EU離脱交渉におけるイギリスの希望は通りにくい
  • 離脱交渉が難航した場合、イギリスが不利になりやすい
  • イギリス内部でもスコットランド独立問題が再燃している
  • BoEの利上げサイクルへの以降がリスクシナリオ

ポンドの取引戦略

ここまで、イギリスとポンドの基本的な特徴や、今後の予想されるイベントを解説してきました。

この項目ではポンド関連通貨ペアの具体的な取引戦略について解説していこうと思います。

 

「ポンドドル」

ポンドドルはユーロドル、ドル円に続き取引量3位通貨ペアで、実需取引も活発に行われている通貨ペアです。

ポンドは同じ欧州通貨であるユーロとの連動性が高く、ポンドドルはユーロドルと似たような動きをするという特徴があります。

以下はユーロドルとポンドドルの週足チャートです。

ユーロドルとポンドドル週足比較

実際に似たような動きをしていることが確認できます。

しかし、注意したいのは通貨ペアの力関係です。これはポンド円の方で詳しく解説しますが、ユーロはポンドに比べ圧倒的に取引量が多く、ユーロドルの動きがポンドドルに影響することはあってもポンドドルの動きがユーロドルに影響することはほぼありません。

そのため、ポンドドルを取引するときはユーロドルを確認する必要がありますが、ユーロドルを取引する場合にはそれほど注視する必要はありません。

また、ポンドドルを取引する上で参考になるのが、「IMM通貨先物ポジション」です。

以下はIMM通貨先物ポジションとポンドドルレートを比較したものですが、比較的強い相関関係があることがわかります。

ポンド・ドルとネットポジション推移チャート

そのため、最新のIMM通貨先物ポジションの動向を知ることでポンドドルの動向もある程度予測することができます。

詳しい「IMM通貨先物ポジション」の見方とトレードへの応用の仕方については、以下の記事で毎週最新のIMMポジションデータと共に解説していますので是非参考にしてみてください。

『IMM通貨先物ポジションのデータ推移と見方、使い方』

 

次にテクニカル的に見た場合のポンドドルはどうでしょうか?

「ポンドドルの月足」

ポンドドル月足

このチャートみてみると、ポンドドルは1990年代以降ずっと守られていた1.3500ドル付近のサポートを国民投票の際に下抜けしました。

テクニカル的に今後節目になるのは1985年に記録した1.0520の最安値まで残っておらず、ここを下抜けすると本格的にポンドドルパリティ(1ポンド=1ドル)が現実味を帯びて来ることになります。

もっとも、現在のポンドドルは短期的にみるとブレグジット関連の報道に一喜一憂する形で大きく上下動することが多くみられ、またブレグジットからのポンドショートがかなり積み上がっていることを考えると大きなショートカバーがくる可能性もありますが、

それでも2017年の動向で前述した通り、本格的なポンド買いにつながる可能性は低いと考えられます。

 

「ユーロポンド」

ユーロとポンドは同じ欧州通貨同士ということもあり、似たような動きをすることが多いといえます。

しかし、最近ではイギリスのEU離脱問題が浮上したことで、ポンドからユーロへの資金の流れが目立ち、ユーロポンドもパリティに向かいつつあります。

「ユーロポンド月足」

ユーロポンド月足

イギリスのEU離脱を考えた場合、イギリスとEU双方に経済的な打撃が考えられますが、両者の経済規模などを考えると、イギリスのほうが深刻な打撃を受けるだろうと考えるのが自然な流れであり、また離脱交渉が難航しイギリスが単一市場へのアクセスを失うようであれば、ユーロポンド市場ではポンドの売り圧力がいっそう高まるものと考えられます。

 

「ポンド円」

ポンド円を取引する場合、「通貨ペアの力関係を意識してトレードする」ということが重要になってきます。

まずは以下のチャートをご覧ください。

週足比較画像

このチャートは上からポンドドル、ドル円、ポンド円の週足のチャートを比較したものなのですが、ドル円とポンド円が似たような動きをしていることがわかります。

ここからわかることは、ポンド円の動きはドル円の流れに左右されやすいということです。

その一方でポンド円の実需取引はほとんどされておらず、ポンド円の動きがポンドドルやドル円に影響することはほとんどありません。

実際、ドル円は通貨ペアの中でも取引量2位で18%、ポンドドルは3位で9%の取引シェアを占めていますが、ポンド円は全体の1%未満です。

「通貨ペアごとの取引シェア」

通貨ペアごとの取引シェア

そのため、ポンド円を取引する際は、ポンドドルとドル円の動きの影響を考慮しなければならず、

3つの通貨ペアを見比べつつトレードする必要があります。

 

「通貨別の強弱を意識してトレードする」

では具体的に通貨ペアを見比べてトレードするとはどういうことなのでしょうか?

それは各通貨の強弱を意識してトレードするということになります。

例えば、ポンドとドルが同時に上昇している場合に、ポンドドルをトレードするというのは適切ではありません。

たとえポンドに買い材料が出たとしても、どの通貨からポンドに資金が流れているのかを意識し、ポンドに対して売られている弱い通貨を選ぶことが重要なのです。

そうすることで、1番効率の良い適切な通貨ペアを選択することができます。

しかし、この作業は決して簡単ではありません。

以下はポンド、ドル、円の場合に考えられる通貨の強弱パターン一覧ですが、3通貨を想定した場合でも、強弱パターンは全部で6通り考えられます。

ポンド強弱⑴
ポンド強弱⑵

比較する通貨が4つ、5つと増えていくと考え得る強弱パターンは一気に増え、即座にに判断するのは難しくなっていきます。

そのため、この考えかたに慣れて居ない人はこのような表も参考にしながら、少しずつ慣れていきましょう。

慣れてくれば、複数のチャートを見ることで、今どの通貨が買われていて、どの通貨が売られているのか判断することができます。

 

まとめ

ポンド画像2

では、これまでのおさらいをしましょう。

イギリスの基本的な特徴としては

  • ポンドはかつての基軸通貨で現在も取引が盛ん
  • ロンドン市場は為替取引量世界トップ
  • 英国は隠れ資源国

といったものがあり、

ポンドの変動要因としては

  • BoEの金融政策
  • 原油価格の動向
  • 不動産市場の動向
  • EU離脱交渉の動向

が主なものでした。

またトレードする際は主要なテクニカルポイントと基本的な知識を抑えつつ、通貨ペアの力関係と、各通貨の強弱を意識してトレードすることで、最も効率の良い通貨ペアを選択しましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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